【仕事を読み解くvol.1】システム安定稼働の番人『Operation Scale Unit』の仕事

2020.2.21 働く人

まえがき
求人票を見ると、WEBプログラマー、サーバーサイドエンジニア、データベースエンジニア、ネットワークエンジニア・・・と様々な職種名が目に飛び込んできます。
「システムエンジニア」や「プログラマー」は誰しも聞いたことあると思いますが、広義的な表現であり、実際の仕事内容のイメージが付きにくいと思います。
そのため、よりイメージしやすいように職種を細かく分けて表現しているのもIT業界の特徴ですが、初めてIT業界を目指す人にとっては逆に多すぎて何を目指していいか解らなくなってしまいます。
実際にALHにも多種多様な職種のエンジニアが在籍していますが、最初から細分化された職種を選択してキャリア形成しているわけではありません。
今回の記事をシリーズ化し、ALHの組織体系と職種の関係を明らかにしながら、業界の仕事内容やキャリア形成への理解を深めていただければ幸いです。

第1弾は、システムの運用保守を掌るチーム「Operation Scale Unit」(以下、OSU)をご紹介したいと思います。

今回はOSUの速水さんにご協力頂き、仕事内容やチームについて語っていただきました。

速水 新一 (はやみ しんいち)
Operation Scale Unit (通称:OSU)所属。長野県出身。未経験からの中途技術職入社。
これまでは運用保守関連のプロジェクトを歴任し、運用SEに。現在はITサービスマネージャーを目指す若手の研修カリキュラムを構築中。
趣味は引っ越し。毎年棲家を変えるほどの引っ越し魔。アドレスホッパーの一歩手前。

組織について

– 今日はよろしくお願いします。

速水です。よろしくお願いします。

– まず始めに、速水さんが所属するOSUという部署について教えて下さい。
OSU自体は運用・保守がメインの部署ですが、運用・保守の業務もプロジェクトごとに役割があるため、運用・保守以外にも開発・構築経験を持った多種多様な人材がいる部署になります。

– 運用・保守とはどのような仕事ですか。
システムには作る工程と維持改善する工程があります。開発・構築は作る工程で、運用・保守は維持改善する工程です。
ITと聞いたら一般的には作る工程をイメージする人の方が多いと思いますが、システムは完成してからが本番で、実際にユーザーに使ってもらいながら業務改善の支援をしたり、システム的なトラブルの未然防止やトラブル発生時の障害対応を担います。

– 運用・保守の工程を担うエンジニアの職種にはどのようなものがありますか。
オペレーター、テクニカルサポート、ヘルプデスク/サービスデスク、システム運用、業務運用といった職種が存在します。
総じて運用保守エンジニアと呼ぶことがありますが、お客様(ユーザー)の業務やシステムの全体像を最も把握している職域と言えると思います。

– すると、OSUにはこれらの職種の人が在籍しているということですか。
その通りです。実は、ALH東京本社のエンジニア組織は図のようにコンサルティング、開発、構築(インフラ)、品質・検証、運用・保守といったシステム開発工程によって分かれた組織体系を取っています。中でも、OSUは他のどの部署よりも多職種だと思います。それだけシステムを包括的に俯瞰する立場にあるということです。

運用・保守エンジニアの仕事

– 先程あげていただいた職種の仕事内容について教えて下さい。

仕事内容についてはこの通りです。

  1. オペレーター・・・システムを安定して稼動させるため、決められた手順に従って、システムに異常がないか監視・操作したり、稼働状況を報告します。
  2. テクニカルサポート、ヘルプデスク、サービスデスク・・・ユーザーからの問い合わせや申請等に対して窓口機能を担います。また、ユーザーがITサービスをスムーズに利用できるように能動的に案内も行います。具体的な仕事は、電話やメール、チャットによるユーザーからの問い合わせに回答し、ユーザーに機器やソフト操作方法を教えることもあれば、対応窓口が遠隔操作したり、現場に駆けつけての対応することもあります。また、ハードウェアやソフトウェアの撤去・設置、操作、さらに運用方法や問題解決方法のマニュアル作成などの業務も行います。技術や製品に直接的にかかわるのか、広く相談窓口になるのかによって役割や呼び方が変わります。
  3. システム運用・・・アプリケーションやインフラ(サーバ、ネットワーク、データベースなど)について、バージョンアップや機器のメンテナンス等を行い、維持管理を担います。具体的には、ログをチェックし異常がないか確認したり、セキュリティソフトの更新や、ミドルウェアの操作を行います。
  4. 業務運用・・・クライアントの業務に関する部分のシステムオペレーションを担います。運用項目と実施スケジュールを作成し管理を行います。また、日々発生するトラブルや障害の切り分けや一次対応をしたり、再発防止策検討したりします。また、ユーザの情報管理やシステムの構成管理や文書管理なども行います。クライアントのビジネスに役立つデータを抽出・提供したりもします。

– 本当に様々な役割があるんですね。これらの職種に求められるスキルはどんなものがありますか。
どの職種でもITシステム全般に関する広い知識が求められます。時にはクライアントの業務(ビジネス)にまで関わる知識も求められることがあります。完成されたシステム郡全体を俯瞰する立場なので、どのシステムでどのようなトラブルが発生するかはわかりません。何より、迅速で臨機応変な対応とユーザーとの円滑なコミュニケーションスキルが求められます。

– 広いIT知識が必要とのことですが、入社時点で身についている人は少ないのでは。
入社時点では広い知識は求めていません。業界経験者であればいいですが、業界未経験の方でも十分知識を身につけられる研修カリキュラムを用意しています。
ただし、Word、Excel、PowerPointが使用できると、研修がよりスムーズに進みます。仕事中にドキュメントを作成する機会は非常に多いです。

– どのような研修をしていますか。
2ヶ月で大きく4つのカリキュラムを学んでもらいます。未経験の方であれば「ITとは何?」というところから実際に良く使われている運用・管理系ソフトウェアの使用方法まで学んでもらいます。また、システム管理の成功事例を学ぶことで実務に役立つスキルが身に付きます。ALHの研修ポリシーである実践形式で学ぶ充実したカリキュラムになっています。
また、普段の生活で何気なく使っているシステムやサービスがどうやって動いているのか疑問を持つ癖を付けておくと研修する時の納得度、理解度がより高まると思います。

・バッチファイル、シェルスクリプト作成
・データベース基本操作
・運用・監視に関連するシステム設定方法
・運用管理ツールの使用方法

運用エンジニアのキャリアパスと将来

– 職種がたくさんありますが、どのようにキャリアを選択したらいいですか。
さっき説明した職種では触れませんでしたが、最終的にはITサービスマネージャーを目指すことになります。ITサービスマネージャーとは、情報システム全体について、安定稼働を確保し、障害発生時においては被害の最小化を図るとともに、継続的な改善、品質管理など、安全性と信頼性の高いサービスの提供を統括する人のことです。
ITサービスマネージャーになるまでの過程は先程紹介した4つの職種全てに関わることが望ましいですが、ALHでは特に「システム運用」、「業務運用」の2つをメインにキャリア形成するのがスタンダードになっています。

現在、ITサービスマネージャーとして活躍している社員の例を挙げておきます。

①20代で未経験入社、社内研修を経てITのスキルを習得
②ヘルプデスク・構成管理・テスト環境構築等の経験を積み、技術力UP
③アラート監視・障害管理(調査・障害対応含む)業務のチームリーダーに抜擢
④運用設計・運用調整等、運用管理チームでITサービスマネージャーとして活躍中

プロジェクトでは3年~5年でサブリーダー、5年~7年でリーダーを経験し、およそ10年でITサービスマネージャーになるのが一般的ですが、ALHでは最短3年を目指したキャリア形成を促進していきます。

– ITサービスマネージャーの市場価値は。
IT業界のスマイルカーブの考え方に拠り、上流のコンサルティング、マーケティング、下流のCS・アフターサービス、オペレーションの利益率が一段と向上する流れになっています。
ITサービスマネージャーはその下流を包括するポジションであり、市場価値の高さは明らかです。
今後はAmazon Web Servicesをはじめとしたクラウド化やUiPathのようなRPAによる業務自動化がますます拡大し、中流工程の省エネ・自動化が進むと見ています。
そうなった時に強いポジションでいられるのはITサービスマネージャーではないかと思います。

– まさに時代の追い風になっているエンジニアですね。最後に読者にメッセージを。
少しでも運用エンジニアの仕事を理解してもらえたら嬉しいです。求職者の方だけでなく社員のみなさんにも新しいキャリアとして運用エンジニアを考えてもらいたいです。
アプリケーション開発している人もサーバー・ネットワーク構築している人もITサービスマネージャーへの道は明るいと思います。ALHにはおかえり人事制度があるので躊躇なく運用チームにも来てもらいたいです。
これまで以上に運用エンジニアの魅力を発信して一緒に楽しく働く仲間を増やしたいです。今日はありがとうございました。

– 速水さん、本日はありがとうございました。

あとがき
スマイルカーブとキャリアのお話は非常に納得性が高かったです。
これまでのモノづくりの現場では開発に比重を置き、良品質でコストパフォーマンスが高いモノが売れる時代でしたが、今は製品やサービスが高速で入れ替わる時代です。システム開発の現場においてもDevOpsやアジャイルのモデルで高速配信を実現させる流れもできています。DevOpsモデルのように開発チームと運用チームが一緒になって迅速に革新を進めることが優先される時代においては、ITサービスマネージャーの市場価値が急激に向上しているのだと思います。しかし、今後のITサービスマネージャーにおいては開発業務との境目がなくなることを受けて、新たに開発スキル獲得が望まれていくのだと思います。
昔からSI業界に存在した運用から開発という単一方向へのキャリアチェンジという概念を捨てるべき時なのかもしれません。運用の職務領域が変化している今こそ開発から運用というキャリアチェンジに価値があると私は確信しています。(キャリアチェンジというか両方やるという意味ですが)
SI業界もウォーターフォール型のQCDモデルではなく、システム、サービスの高速配信を可能にしたプロジェクト体制が主流になる、その流れに乗れないSIerは淘汰されていくのかもしれません。
つまり、元請け、2次請けという言葉が意味をなさないプロジェクト体制になるのだと思います。

村上勇樹
ALH株式会社 Branding Optimize Unit (通称:BOU)所属
CANTABILE立ち上げ責任者。インハウスエディターとしてコーポレートブランディングの「編集」を担う。
これまでもコーポレート関連WEBサイトの戦略設計・開発ディレクションを担当し、単なるコンテンツ制作にとどまらず、企業価値を高めるためのプロモーション活動の実績を積む。
これからはさらに社内外のリレーションを構築しながら、ALHの「はたらく」を発信する。