【エンジニア1年目の歩きかた #07】今の自分があるのは一年目の苦労があったから
エンジニア未経験で入社した社員の軌跡を追う「エンジニア1年目の歩きかた」
第7弾は大阪事業所 Osaka Unit3 所属のKANさんです!
市役所勤務の公務員という立場を手放してでも、エンジニアの世界に飛び込みたくなったKANさん。
初めて配属された案件では大変な苦労を経験されたそうです。
KAN
ALH株式会社 大阪事業所 Unit3所属。関西学院大学文学部卒。
大きく遅れてハマったサウナー。
苦楽をともにした方と今年結婚しました!
ALHに入社する前
ー本日はよろしくお願いいたします! 早速ですが文学部出身のKANさんがITエンジニアに興味を持ったきっかけを教えてください。
古くからの友人がエンジニアで、彼が自分の仕事を楽しそうに話す姿を見ているうちに、エンジニアという職業が気になってきたんです。
当時私は市役所勤めの公務員だったので、さすがにすぐに転職活動をする気にはなれず、まずはProgateの無料版から挑戦してみることにしました。
ーなるほど。はじめてのプログラミングはいかがでしたか?
夢中になりました!
ちょうど年末年始だったこともあり、四六時中いじっていましたね。無料版は一週間でやることがなくなってしまいました(笑)。
エンジニアへの転職を真剣に考えるようになり、プログラミングスクールへ入学しました。
ーいきなり転職するのではなく段階を踏んだのですね。
厳しい世界で通用するか不安だったので、慎重に進めました。ちなみに、公務員の立場が惜しいという気持ちはあまりなかったです。
ーかっこいい……。スクールを修了して就職先を探す中で、ALHに興味を持ったきっかけは?
スクールの就職支援担当の方から激推しされたからです。
ー激推し!! それはどういった理由からでしょうか?
この会社は今来ている、まだまだ伸びるし、大阪事業所は立ち上がったばかりなので、ここに行ったら色々な意味で何でもできますよ!と言われました。
実際に売上や社員数は入社以降も伸び続けているし、色々な意味で何でも経験することができました(笑)。
ーその方の仰る通りだったわけですね。その後、ALHに入社するに至った決め手は何だったのでしょうか?
面接官のTAKESHIさんの熱意が伝わったからです。
「ALHに入るならプログラミングスキルだけではなく、社会人として必要なポータブルスキルやコミュニケーションスキルも磨いていってほしいし、会社や自分がどうなっていきたいかという想いも持っていて欲しい」といった内容の話を初対面の私にぶつけてくださったのです。
目先の人員確保のためではなく、会社や私の今後を見据えた丁寧な採用をする会社なのだなと思いました。
ー入社前のALHにはどんな印象をお持ちでしたか?
市役所の落ち着いた雰囲気に慣れていたので、正直ALHの雰囲気に馴染めるか少し不安でした。私のキャパを超えるような、明るくエネルギッシュな方が多い印象でしたね。
自分も若者なのですが、ALHの人たち若そうだなーって(笑)。
研修期間の歩き方
ー入社後はどのような印象を受けましたか? ギャップなどはありましたか?
若いという点は印象通りでしたが、ギャップはありました。
仕事に対する本気度や熱量は想像以上でした。営業なら絶対に案件を獲得するという意欲、エンジニアなら技術を磨く意欲が凄くて。
市役所は決まった手順通りに対応をする世界だったので、ALHの成長や達成に向けて手探りで突き進む感じに圧倒されました。
こっちの方が自分には合っているなと思いました。
ーそれは良かったです。入社後の研修ではどんなことを学びましたか?
基礎的なJava、HTML、CSS、SQLなどの課題に取り組みました。印象に残っているのはSQLの課題です。
データを取得する言語なのですが、構文に少しでもミスがあると、エラーになるか想定外のデータを取得してしまうことがあります。構文や取得したデータが正しいかどうか、自信がないときは先輩や同期に見てもらいながら進めました。
中には同じ結果になる構文の書き方が複数あるケースもあるので、「正解は一つとは限らない」という”深い”ことも学びました!(笑)
ー当時はリモートでの研修が中心だったそうですが、困ったことはありましたか?
チャットでのコミュニケーションに慣れるのに時間がかかりました。
前職ではあまりキーボードを叩く機会がなかったので、タイピングが遅くて、メッセージを入力するのに時間がかかっていました。顔が見えないので送るタイミングにも迷いましたし。
でも、エンジニアという仕事はチャットコミュニケーションが多いので、早々に慣れることができて良かったとも思っていますよ。
ー研修中にやって良かったと思うことはありますか?
事前にタスクの細かなスケジュールを決めたことです。
毎朝「今日は何しようかな」と考える時間が無駄だなと感じていたので、前日のうちにやることを決める習慣をつけました。
ーその日の予定を自分で考えるのですか? 研修中は取り組む課題が決まっているわけではないのですか?
大枠は決まっていますよ!
でも、細かいところは自分でコントロールできるようになっているんです。
例えば集計システムを触るというワークの中では、元々エラーが入っている状態ではじまり、エラー箇所を探す、修正を試みる、テストする、うまくいかなかったら別の問題があるので検討する、など細かなタスクがあります。
一晩またぐと、前日やっていたことを思い出すのに時間がかかってしまいます。
その時間が勿体ないので、事前に翌朝取り組む内容を優先順位をつけて3つ決めておくようにしていました。
ー素晴らしい心がけですね!そんなKANさんですが、今思うと失敗したなーと思うことはありますか?
エラーの解消に時間をかけ過ぎてしまったことです。
何度かあったのですが、いずれも同期や先輩に質問したらすぐに解決しました。
何かの本で読んだのですが、自分で15分悩んで解決しないことは、結局自力では解決できないことが多いそうです。まさにその通りだと思いました。
今後の対策として意識したのは、15分以上一人で悩まないことと、気軽に聞けるように日頃から同僚や先輩、上司たちと良い関係を築いておくことです。
その時に身についた習慣の名残で、私は非喫煙者だけど時々タバコミュニケーションに参加するようにしています(笑)。
配属~半年の歩き方
ーどんな案件に参画されたのですか?
他の研修生たちと一緒に1か月ほどテスト案件に参画しました。その次の案件には1年以上入っていたのですが、修行とも言えるような厳しい案件でした。
あの1年があったから今の自分があるので、経験できてよかったと思っていますが、当時は本当に大変でしたね。
ー詳しく聞かせてください。
某大手電機メーカーの倉庫搬入搬出の管理に関するシステム開発と保守の案件でした。
前任者はこの案件を5年も担当している方だったので、ちょっと自分には荷が重いなと思ったのが正直なところです。
「KANならできる」と信じて配属してくれたわけだし、実際できたので上長の采配は正しかったわけですが、当時はまあ大変でした!
質問を送ると前任者が優しく丁寧に回答してくださるのですが、なんでもかんでも聞くわけには行きませんし、自分で調べたり部長のMattyさんに聞きながらどうにか対応していましたよ。
ー特にどのような点が大変でしたか?
クライアントとの工数整合が大変でした。
新人だったので、何にどれくらい時間がかかるのか、どれくらいの工数を割くのが適切なのかがわからないわけです。
前任者がかけていた時間は歴5年のケースなので、私にとって必要且つ適切な工数は、自分で見積もって事前に報告しなければなりませんでした。
長めに見積もると指摘されるし、短めに見積もると自分の首を締めることになるし。
ーそれは大変ですね。どのように乗り越えてきたのですか?
はじめのうちはやはり、適切な工数を見積もることができず、残業がかさんでしまったこともありました。
そこで、見積もりの精度をあげていくために、細かくタスクを細分化したうえで着手日を記録するようにしたのです。
すると徐々にかかった工数に関するデータが溜まっていき、見積もりの精度をあげていくことができるようになっていきました。
他にも、その日にやった作業のログを残すようにしたり、定期的に自分の技術の棚卸をする癖をつけたりしたことで、プログラミングスキル以外にも色々と処世術のようなものを身に着けていくことができました。
この案件では、やれることは全てやったという自負がありますし、それ以降の案件で成果を感じることが多かったです。
ーつらいときや困ったときは誰に相談していたのですか?
前任者の先輩は抜けてからも手厚くフォローしてくれたので、技術面で大変お世話になりました。
精神面では同期のRYOSUKE君、KIHOさん、そして事業所責任者のTAKESHIさんや部長のMattyさんがこまめに連絡をくれたり相談に乗ってくださったりしたので、周囲の方々にはとても支えていただきました。
配属半年~1年の歩き方
続いて半年~1年の頃の状況についてお聞きします。
同じ案件なので、すでに大体お話してしまったのですが、大きな変化としては、徐々に工数感を把握できるようになっていきました。
だからといって、楽になっていたということはなく、引き続き大変な毎日でした。
ーそんな日々を支えてくれたのは?
当時の彼女、今の妻です(笑)。
始業が早い案件で、毎朝6時半の電車に乗っていたのですが、私よりさらに早く起きて毎日お弁当をつくってくれていました。
染みましたね。
ープライベートではご結婚を経験されたKANさん、仕事ではグループ長に抜擢されて今はマネジメント業務にも挑戦されていますよね。
ありがたいことに昨年の9月から担当させていただいてます。大変な案件を経験したからこそ、そこで得たものは大きかったので、部下たちに還元できるよう努めています。
同期のKIHOさんが営業で、クライアントからの評判を教えてくれるのですが、自分の部下の良い評判が聞こえてくると自分のことのように嬉しいです。
ー良い上司してますね! さらに今の案件では増員獲得にも成功されたとか?
これは正直”棚ぼた”な面もあったのですが、今の案件に参画して三日目くらいに草野球に誘っていただく機会がありまして。帰りに車に乗せてくださった方が人脈の広い方で、後日PMとつないでくれたんです。
そのおかげで参画直後からPMとも自然に話せるようになり、増員が必要なタイミングで提案することができました。
当初ALHからは私だけでしたが、徐々に増えて今は4人です。
ーアサイン先が変わることのメリットや大変なことを教えてください。
大変なのはその場所独自のルールなどを1から覚えないといけないことですね。もちろん人間関係も1から構築していかないといけません。
人間関係の構築は本当に重要だと思っていて、漏れ聞こえてきた会話などから趣味や関心ごとを察知して、それに関するネタを仕入れておくようにしています。
今の案件先では野球好きが多いので、WBCチケットの発売日をチェックしておいて「そういえば今日チケット発売日ですね~」と話題を振ってみるとか。
メリットは3つのチャンスですね!新たな技術を身につけるチャンス。たくさん情報が入るチャンス。そして、増員のチャンス。
最後に
エンジニアが自走できるようになるためにはどういうスタンスで仕事と向き合うことが必要だと考えていますか?
私は以下の3つが重要だと考えています。
①まずは量。その次に質を。
エンジニアになりたての状態では質なんてよくわからないと思うので、まずは行動することから。
②適切なタイミングで確認を入れながら進める。
沢山行動してみるのは大事だけど、正しいやり方で正しい方向に向かっているかどうかを判断できる人に時々見てもらうこと。ベクトル合わせが必要です。
③人間関係を大切にする。
正直これが9割だと思っています。特に私の場合は技術が飛び抜けているわけではないので、どこで飛び抜けられるかを考えた結果、人間関係の構築だという結論に至りました。
ーセカンドキャリアとしてエンジニアを選んでみてどうでしたか?
成長発展し続ける終わりのない”技術”の世界で、同じ志を持つ人たちと働けるのが楽しいです。
私はボランティアの性質が強いので、自分がエンジニアとして勉強したことや習得した技術を、周囲に還元して役に立てるのが嬉しいです。
ALHにはTech Atelierという社内SNSのナレッジ投稿グループがあるので、私もそこに沢山投稿してきました。
ー最後にこれからエンジニアを志す人にむけてアドバイスをお願いします。
しつこいようですがまずは人間関係からだと思います。
これがうまくいくと質問や相談がしやすくなり、シンプルに仕事が楽しくなります。
技術面ではいずれは質を求められるようになってくるのですが、まずは量を突き詰めてやってみましょう!
Vol.7は大阪事業所のKANさんでした。
技術面に加えて工数管理でも早くから一人前の対応を求められたKANさん。彼の1年目の経験から学ぶことは多かったのではないでしょうか。
エンジニア1年目の歩き方ではこのように、IT未経験からエンジニアとして活躍している仲間たちの等身大の経験談をお届けしていきます。
エンジニアに挑戦することへの不安が少しでも解消されたら嬉しいです。
vol.8もお楽しみに✨