【合格者が監修】AWS DOPとは?試験の概要と対策、合格するための勉強法も解説
AWS DOP は、AWS (Amazon Web Services) が提供する認定資格の一つで、正式には「AWS Certified DevOps Engineer – Professional」と呼ばれます。この資格は、DevOps のプラクティスと AWS のサービスを組み合わせてソリューションを設計、実装、管理する能力を証明するものです。
監修:AKIHISA
■保有資格
・応用情報技術者試験
製造業からIT業界未経験でALHへ入社
・AWS Certified Cloud Practitioner
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・AWS Certified Developer - Associate
・AWS Certified SysOps Administrator - Associate
・ AWS Certified Data Engineer - Associate
・AWS Certified Solutions Architect - Professional
・AWS Certified DevOps Engineer - Professional
・AWS Certified Advanced Networking - Specialty
・AWS Certified Security - Specialty
・AWS Certified Machine Learning - Specialty
・AWS Certified Database - Specialty
・AWS Certified Data Analytics - Specialty
・AWS Certified: SAP on AWS - Specialty
・Pythonエンジニア認定基礎試験
・Pythonエンジニア認定データ分析試験
・Pythonエンジニア認定実践試験
・Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11
・ビジネスマネジャー検定
・G検定
AWSでの開発環境整備に力を入れており、IaC(Infrastructure as Code)やCI/CDを得意としている。
現在のプロジェクトには、AWS環境でバックエンドAPIの開発・運用を行うDevOpsエンジニアとして参画中。
好きなAWSサービスはAWS CDKとAmazon Q Developer
■AWS DevOps Engineer - Professional (DOP) とは
AWS Certified DevOps Engineer - Professional (DOP) は、AWS環境におけるDevOpsエンジニアの専門的なスキルを証明する上級資格です。
この資格は、AWSプラットフォーム上での分散アプリケーションシステムのプロビジョニング、運用、管理に関する高度な技術的専門知識を持つことを示します。
DOPの重要性は年々高まっており、この資格を必要とする求人情報は2021年10月から2022年9月までの間に52%増加しています(出典: Lightcas 2022年9月)。つまり、DOPを取得することで、キャリアの可能性が広がる可能性があります。
試験範囲 : 以下の6つの分野に分かれています
- 第1分野 : SDLC のオートメーション (採点対象コンテンツの 22%)
- 第2分野 : 設定管理と IaC (採点対象コンテンツの 17%)
- 第3分野 : 耐障害性の高いクラウドソリューション (採点対象コンテンツの 15%)
- 第4分野 : モニタリングとロギング (採点対象コンテンツの 15%)
- 第5分野 : インシデントとイベントへの対応 (採点対象コンテンツの 14%)
- 第6分野 : セキュリティとコンプライアンス (採点対象コンテンツの 17%)
これらの分野をバランスよく学習することが、合格への近道となります。
■AWS DOP資格の試験概要と難易度、受験要件
AWS DOP資格は、AWS認定の中でも最も難易度の高い資格の一つです。
①試験概要
- 試験時間 : 180分
- 問題数 : 75問
- 合格ライン : 750点以上 / 1,000点 (但し、75問中10問はスコアに影響しません)
- 受験料金 : 44,000円(税込)
- 試験会場 : 全国のピアソンVUE テストセンター、または自宅などからのオンライン受験
■試験料金一覧
試験の種類/料金 | USD | JPY | EUR | AUD | KRW | CNY |
Foundational | 100 USD | 15,000 円 | 92 EUR | 150 USD | 131,525 KRW | 723 CNY |
Associate | 150 USD | 20,000 円 | 138 EUR | 229 USD | 197,287 KRW | 1,085 CNY |
Professional | 300 USD | 40,000 円 | 277 EUR | 459 USD | 394,575 KRW | 2,169 CNY |
Specialty | 300 USD | 40,000 円 | 277 EUR | 459 USD | 394,575 KRW | 2,169 CNY |
②受験要件
受験には以下の経験が推奨されています。
- AWS環境でのプロビジョニング、運用、管理に関する2年以上の経験
- ソフトウェア開発ライフサイクルとプログラミング/スクリプティングの経験
- 高度に自動化されたインフラストラクチャの構築経験
- オペレーティングシステムの管理経験
- 最新の開発プロセスと運用プロセス、開発手法と運用手法に関する経験
公式サイトでは「AWS環境のプロビジョニング、運用、管理において2年以上の経験」が推奨されていますが、これは必須条件ではありません。適切な学習方法を用いれば、実務経験が少なくても合格は十分可能です。
■AWS DOP試験の対策と勉強法
AIが推奨する学習法と弊社資格合格者がおすすめする学習法の2通りでご紹介します。
1.AIにより推奨されたプラン
AWS DOP資格の勉強を始める際は、以下のリソースを活用することをおすすめします。
a) AWS公式教材
- AWS Skill Builder :無料のDOP試験準備コースを提供
- AWS Black Belt :各サービスの詳細な解説動画とPDF資料
- AWSドキュメント :最新かつ正確な情報源
b) 書籍
⇒2024年8月現在DOPに関する書籍はありません。おすすめするのはDVAの書籍で、DOP出題範囲のサービスに関する知識補完に有効です。
c) オンラインコース
Udemy「AWS Certified DevOps Engineer Professional 2024 - DOP-C02」
⇒ハンズオンで実践的な学習が可能です。
英語の講座ですが、日本語字幕で受講できるため英語に抵抗があっても問題なく進められます。
d) ハンズオン練習
- AWS無料枠を活用した実践
- AWS CloudFormation、AWS CodePipeline、AWS Systems Managerなどの主要サービスの使用経験を積むことができます。
e) 模擬試験・問題集
- AWS公式の模擬試験
- サードパーティの問題集(例:CloudLicense、CloudTech)
(参考:AWS Skill Builder)
試験対策は、学習リソースを組み合わせて使用することで、幅広い知識と実践的なスキルを身につけることができます。
最新の試験ガイドラインを確認し、出題範囲に変更がないかチェックすることをおすすめします。
2.ALH社内で人気の学習方法
弊社の合格者が実際に使用した教材のメリット・デメリットについて詳しく解説します!
◯ 動画を活用した学習
おすすめ教材
・AWS Black Belt Online Seminar
AWS Japanにより提供されているオンラインセミナーです。
AWSサービスや、ソリューションへのAWS適用について解説しており、サービスの理解を深めるために利用することをおすすめします。
おすすめ
- AWS CloudFormation#1 基礎編【AWS Black Belt】
- AWS CodeStar, AWS CodePipeline
- AWS CodeBuild
- AWS CodeDeploy
- CON201 ECS 入門
- AWS Control Tower基礎編
- AWS Config
- Amazon CloudWatch の概要と基本
【メリット】
AWS Japanが提供しているため、信頼できる情報です。
特にサービスの名前を冠する講座は、基礎から解説してくれるので理解しやすいです。
【デメリット】
試験に特化した内容ではないため、試験においては不要な知識もインプットすることになります。
投稿が数年前の講座もあるため、必ず最新の情報と照らし合わせてください。
また、大半の動画が1時間なので、全てのサービスを網羅しようとすると時間がかかります。
AWS Japanにより提供されている、初心者や初めてのサービスに触れる方向けのハンズオン動画です。
無料で利用可能ですが、利用するためには自身のパーソナル情報を入力する必要があります。
おすすめ
- サーバーレスアーキテクチャで翻訳 Web API を構築する
- AWS Step Functions 入門 - ビジュアルツールを使ってローコードにワークフローを作成する
- AWS 環境のコード管理 AWS CloudFormationで Web システムを構築する
- AWS Code サービス群を活用して、CI/CD のための構成を構築しよう!
- Amazon Elastic Container Service 入門 コンテナイメージを作って動かしてみよう
【メリット】
AWS Japanが提供しているため、信頼できる情報です。
AWSサービス単位ではなくユースケース単位でハンズオンできるので、実務に近い理解を得ることができます。
【デメリット】
受講するのに時間がかかるため、より理解したい分野の選択が必要です。
試験に特化した内容ではないため、試験においては不要な知識もインプットすることになります。
◯ 問題集を活用した学習
AWS及びGoogle Cloud認定試験の学習ができるオンライン学習サイトです。
ベーシック、プロフェッショナルの2プランが選択でき、プロフェッショナルプランのみAWS DOPに対応しています。
詳細はプラン・料金比較ページをご確認ください
(料金ページはこちら)
【メリット】
問題の難易度が実試験に近く、一問一答形式なので解説をすぐ読めます。
500問以上あるため、解説を理解し、問題を解くことを繰り返すだけで合格が狙えます。
【デメリット】
解説がわかりづらい問題があります。解説だけで理解しづらい内容は、参考書やAWS Black Belt等を活用して理解を深めましょう。
日本最大級を謳うAWS学習プラットフォームです。
資格会員、基本会員、永久ライセンスの3プランあり、いずれもAWS DOPに対応しています。
資格会員、基本会員及び永久会員は解ける問題には差がなく、上位である基本会員及び永久会員ではAWS講義動画と会員制コミュニティ参加権が得られます。
資格会員、基本会員は有効期限が90日ですが、永久会員は買い切りです。
詳細は料金ページをご確認ください
(料金ページはこちら)
また、フリーコースで会員登録すれば、AWS講義動画が38本見ることができます。
【メリット】
問題の難易度が実試験に近く、一問一答形式なので解説をすぐ読めます。
解説の図がわかりやすく、読むのが苦になりません。
基本会員以上だと、AWS講義動画やコミュニティに参加できるので、学習するために利用する媒体を1本に絞ることも可能です。
【デメリット】
190問とCloudLicenseと比較して問題数が少ないです(2024/8現在)不安な方は、値は張りますがCloudLicenseと併用することも検討してください(実際にALHでも併用しているメンバーがいます)
・AWS Certified DevOps Engineer - Professional Official Practice Question Set (DOP-C02 - Japanese)
AWS Skill Builder(AWS公式)により提供されている模擬試験です。
AWS Skill Builderに登録することで無料で利用することができます。
【メリット】
AWS公式が提供しているので、実試験に最も難易度が近いです。
【デメリット】
20問の提供なので、これだけでは合格を目指せません。力試しで問題を受講することをおすすめします。
■AWS DOP合格のための学習戦略
実際のDOP合格者の経験から、効果的な勉強方法とスケジュールを紹介します。
a) 学習期間
合格者の多くは、1〜3ヶ月の学習期間を設けています。ただし、既存のAWS経験や他のAWS認定資格の有無によって、学習期間はそれぞれの理解次第になります。
b) 週間スケジュール例
- 平日:1日2時間の学習
- 週末:1日4-6時間の集中学習と実践
c) 学習ステップ
- AWS基礎知識の復習(1週間)
- DOP試験ガイドの詳細な確認(1日-1週間)
- 各分野の深掘り学習(2-3週間)
- ハンズオン練習(2-3週間)
- 問題集・模擬試験と弱点補強(2-4週間)
d) 効果的な学習方法:
- アクティブラーニング:単に読むだけでなく、概念を自分の言葉で説明する練習をする
- ハンズオン重視:理論だけでなく、実際にAWSコンソールで操作する
- スタディグループの活用:他の受験者と情報交換や議論を行う
多くの合格者が強調していることは、継続的な学習が必要ということです。毎日少しずつでも学習を続けることが、合格につながります。
■AWS DOP試験対策のポイントをピックアップする
AWS DOPで高得点を取るためには、以下のポイントに注意して学習を進めることが大切です。
これらはDOPの試験ガイドに記載されている試験範囲より、特に重要だと思った点をピックアップしたものです。
a) CI/CDパイプラインの深い理解
- AWS CodePipeline、CodeBuild、CodeDeployの詳細な知識
- CI/CDパイプラインへの自動テストの統合方法
- デプロイメント戦略の実装
b) Infrastructure as Code (IaC)
- AWS CloudFormationの高度な使用法マルチアカウント・マルチリージョン環境でのセキュリティ・ガバナンス
- 管理タスクの自動化ソリューション
c) 高可用性とスケーラビリティ
- マルチAZとマルチリージョンのデプロイメント戦略
- Auto Scalingの詳細設定
- RTO・RPOを満たす障害復旧プロセス
d) モニタリングとロギング
- Amazon CloudWatchの高度な使用法
- ログ分析とアラート設定
e) セキュリティとコンプライアンス
- IAMの高度な設定
- セキュリティ自動化の実装
f) 障害対応と運用の自動化
- AWS Systems Managerの活用
- イベント駆動型のアーキテクチャ
これらのポイントついて、単に概念を理解するだけでなく、実際のシナリオでどのように適用するかを考えることが重要です。
試験の問題は、実戦形式でのシナリオに基づいているため、応用力が試されます。
■AWS DOP模擬試験の活用方法と本番試験のコツ
模擬試験は、自分の理解度を確認し、本番の試験形式に慣れるための必要なツールです。
以下のように活用しましょう。
a) 模擬試験の活用
- AWS公式の模擬試験を最低1回は受験する
- サードパーティの模擬試験も活用し、多様な問題に触れる
- 時間を計って解くことで、本番の時間管理の練習をする
b) 結果の分析
- 誤答した問題を重点的に復習する
- 正答でも時間がかかった問題は、より深く理解を深める
c) 本番試験のコツ
- 試験時間は180分。1問あたり約2分半で解く必要がある
- 難しい問題はマークして後回しにし、まず回答できる問題を解く
- 複数の選択肢が正しい問題では、すべての選択肢を慎重に検討する
- 問題文をよく読み、キーワードを見逃さない
最後に、本番試験の前日は十分な休息を取り、リラックスした状態で臨むことが大切です。
■AWS DOP資格取得後のキャリアパスと活用方法
DOP資格を取得することで、以下のようなキャリアの可能性が広がります。
a) キャリアアップ
- シニアDevOpsエンジニアへの昇進
- クラウドアーキテクトへのキャリア転換
- テクニカルリーダーやマネージャーへの道
b) 給与アップ
DOP資格保持者の平均年収に関する正確なデータはありませんが、一般的にAWS認定資格、特にプロフェッショナルレベルの資格保持者は高い年収を得る傾向にあります。
c) 新しい職務や責任
- 大規模なクラウド移行プロジェクトのリード
- DevOpsプラクティスの組織への導入
- セキュリティとコンプライアンスの強化
d) 継続的な学習
AWS DOP資格は3年間有効です。更新時には最新のAWS技術やベストプラクティスを学ぶ良い機会となります。
■まとめ
AWS Certified DevOps Engineer - Professional (DOP) 資格の取得は難しいですが以下のポイントを意識し、学習を進めてください。
- 計画的な学習 : 長期的な学習計画を立て、着実に進める
- 実践重視 : 理論だけでなく、実際にAWSサービスを使用する
- コミュニティの活用 : 他の学習者や経験者と知識を共有する
- 粘り強さ : 挫折しそうになっても諦めず、続ける
- 最新情報のキャッチアップ : AWSの新しいサービスや機能に常に注目する
上記に挙げたポイントを押さえながら学習を進めることで、資格取得の可能性が高まります。ただし、資格取得は手段であり、ゴールではないということを忘れてはいけません。
【参考 : AWS公式サイト】
【参考 : AWS トレーニングと認定】
【参考 : AWS Certified DevOps Engineer - Professional (DOP-C02) Exam Guide】
【参考 : AWS Certified DevOps Engineer - Professional (DOP-C02)試験問題サンプル】
【参考 : AWS Skill Builder】