カルチャー

2人あわせて50以上! 資格マスター対談<後編:教材選びと次に狙う資格>

著者近影
KOHEI

先日公開した『高校受験や大学受験の勉強法は資格試験では通用しない? 受験のプロが詳しく解説します』のシリーズ続編です。

今回は資格保有数30超えのSHIMPEIさんと、エンジニアに関する資格だけで20超えのAKIHISAさんにお集まりいただきました。

次々と資格を取得していく人たちには何か秘密のテクニックや共通点があるのでは?
気になる疑問をぶつけてきたいと思います!

前編をまだご覧になっていない方はぜひこちらをチェック!

2人あわせて50以上! 資格マスター対談<前編:勉強法と取得理由>

2024.8.5

教材編

続いて、皆さん気になるであろう教材についてです。資格マスターの2人はどういう基準で教材を選んでいるんでしょうね。

参考書や問題集の選び方

2人が参考書や問題集を選ぶ際の基準について聞かせてください。

SHIMPEI
一緒になっているタイプだと内容が薄いので、参考書と問題集は別で買います!
もちろん試験や本にもよると思うんですけど、一冊にまとまっているタイプの本に載っている解説だけでは、必要な知識を十分に身につけることはできない印象です。

関連する話でよく見かける「これ一冊でOK」「1週間で完成」などのキャッチが載っている本も要注意です。
あれは6~7割理解した状態で、仕上げや総復習用に使うのには向いていますが、初めて学ぶ人には合いません。解説が足りな過ぎて使い物にならず、結局買いなおすことになります。

AKIHISA
たしかに(笑)。
僕は本よりWeb上のコンテンツを使用することが多いです。AWSならばCloudLicense、エンジニア系の資格全般ならUdemyなどですね。
ざっと解説に目を通して、わかりやすいと感じたものを選ぶようにしています。

資格の難易度やランクによって表面的な知識だけで合格点に達するものと、周辺知識や背景理解が必要なものがありませんか?

SHIMPEI
あります。
級でわかれている資格では、3級は表面的な知識だけで解ける問題が多く、1級は深い理解がないと解けない問題中心に出題されていると思います。
あと、級が上がるとより実践向きになるので、実際に業務で触れていないと学習ペースが落ちることもあります。
AKIHISA
ITパスポートは表面的で、基本情報、応用情報と上位資格になるにつれて、深い理解が求められている感じがしますね。

AWS認定資格だとどうですか?

AKIHISA
CLFは表面的というか、浅く広く各種AWSサービスの全体像と用語を理解するための資格なので深い知識は問われないです。
対して末尾にPがついているプロフェッショナルの資格になると、かなり深い知識が求められます。

プロフェッショナル資格は深い理解が必要なんですね。
ちなみに、ALHのAWS認定資格コンプリート者たちの中には、途中から取得ペースがあがって、1~2週間に1つずつプロフェッショナル資格を取っていた方が何人もいますよね。
あの短期間で深い理解は可能なんでしょうか?

AKIHISA
それは1つ下の中位資格を取得済みだからだと思います。概ね知っている状態で学習に臨むので。あとは試験慣れしてきているからでしょうか。

プロフェッショナル資格に受かった時って、人に説明できるレベルで理解しているんですか? それとも、選択肢は絞れるけど説明までは難しい状態ですか?

AKIHISA
業務で使う資格は別として、概ね「選択肢は絞り込めるレベル」までだと思います。

簿記1級のときはどうでしたか?

SHIMPEI
記述問題が多いので、回答の際は採点者に説明できるようになっている必要がありました。
AKIHISA
すごい。

動画コンテンツはあり?

最近は動画で学習するコンテンツも増えてきました。動画についてはどうですか?

SHIMPEI
使用経験は多くはないですが、良い動画コンテンツがあれば見たいと思います。
AKIHISA
実は動画は苦手なんですよね。言ってることが頭に入ってこなくて。

ちなみに2人は予備校の動画授業を受けたことは?

2人
ないです。塾や予備校に通ったことがないです!

なんと! それはある意味マイノリティかも。
参考書で解説を読んでもわからなかったことが、動画で口頭で説明されるとわかったりしません?

SHIMPEI
資格というより、普段仕事でマーケティング用語やツールの使い方を知りたいときによくyoutube動画を活用しています。わかりやすいですよね。
AKIHISA
どうしてもわからないときは、最終手段としてAWS公式の動画を見ていましたよ。
1本1時間ほどの動画なので受けきるのが大変でした。

使った参考書はどうしてる?

ちなみに試験に受かった後は、参考書はどうしてるんですか?
資格の数が多いから全部取っておくとすごい数になりそうですし。

2人
売っちゃいます。

ということはあまり書きこまない?

SHIMPEI
そうですね。昔から参考書は綺麗にしておきたいタイプなので、付箋やマーカーも使いませんでした。

大学受験も?

SHIMPEI
はい! ノートに書くようにしていました。

AKIHISAさんも綺麗に使うタイプ?

AKIHISA
はい。

重要なページの角を折ったりもしないんですか?

AKIHISA
しません。気持ち的に、なんとなく本を折りたくないので。

紙版か電子版だとどちらがいいですか?
書き込んだり折ったりしないなら軽い電子版の方が良かったり?

SHIMPEI
圧倒的に紙ですね! なじみがありますから。紙で学習したほうが効果が高かったという検証データを見たことがあります。
AKIHISA
僕はそこまで紙に拘りません。電子版も使ったことありますし。

まとめノートは?

自分専用に要点をまとめた「まとめノート」は作りますか?

SHIMPEI
「まとめノート」ではないですが、「わからないノート」はつくります。間違えた問題と解説をペンで書いてまとめておき、後でつぶしていきます。
AKIHISA
ノートは今まで作ってこなかったのですが、「わからないノート」は良さそうですね!
今度やってみます。

買った教材の使用を中止したことは?

折角買った学習ツールですが、しっくり来なくて途中で使うのをやめた経験はありますか?

2人
あります。
SHIMPEI
仕方がないですよね。ダメだと思ったら代えるしかありません。

発生頻度は?

AKIHISA
滅多にありません。参考書を選ぶ選球眼が磨かれてきたので。
SHIMPEI
ところで「このシリーズいいな」と思って、違う試験で同じシリーズのものを買ったら微妙だったってことありません?

フォーマットが一緒でも書いている先生は違う方ですからね。受験でも「このシリーズ世界史はいいけど日本史はダメだ」ということはよくありましたよ。

SHIMPEI
なるほど。

教材は古本屋で探しても良い?

SHIMPEI
制度や技術などが頻繁に変更されるものは、最新版をおすすめします。なので、ものによると思います。
AKIHISA
IT関連の資格は変化のスピードが速いものが多いので最新版をお勧めします。

最終章:素晴らしき資格取得の世界

資格目指すぞって決めてから合格までの日々は「楽しい!」「充実してる!」って感じなんですか?

SHIMPEI
そうですね! 1日目に参考書を全部読んで、2日目に全範囲の問題をといて、3日目は……という感じで燃えます。

平日は仕事があるわけですが、疲れてても数時間勉強できるものですか?

SHIMPEI
その期間は疲れを感じなくなっているんです。
あと、勉強後は1時間ほどランニングかウォーキングをします。運動しながら振り返ると良い復習になるんですよ。
AKIHISA
運動はしていませんでしたが、夢中で毎日やってしまう点は一緒です。

そんなに勉強に時間を割くとなると、家事は?

2人
普段通りやっています!

すご……。勉強する場所は?

SHIMPEI
家やカフェでもやるのですが、静かなので図書館が一番好きです。
カフェだと用語がわからず集中が切れてきたタイミングで、周囲の会話が耳に入ってくると聞いてしまうんですよ。
AKIHISA
それめっちゃわかります。ただ、図書館は平日は早く閉まってしまうので、家とカフェがメインです。
早起きして妻と一緒にカフェでモーニングしながら勉強する時間が好きです。
その時妻も何か勉強中なら一緒に勉強したり、なければ読書してたり。
SHIMPEI
同じくです。良い休日の始まり方ですよね。

(ん、惚気か?)

今後狙う資格

そんな資格取得が大好きな2人が次に狙う資格は?

SHIMPEI
次は中小企業診断士と公認会計士を狙っています。
取ることでインパクトがある資格だと、今後の自分の可能性を大きく拡げることに繋がります。
起業も経験しましたし、そのマインドの名残が強いと言いますか……。
直近でその資格を使う仕事に就くためにではなく、未来を見据えて目指してみたいなと。

スケールが大きすぎる( ゚Д゚)。AKIHISAさんはいかがですか?

AKIHISA
自分が取ることで学べるものがあるかどうかを基準に選んでいます。
有名じゃなくても、その資格を取ることで理解できることが増えるなら! という考えです。

ちょうど次に狙っているのがGitHub Actions認定で、認知度は高くないけど自分が理解を深めていきたいCI/CDに関する資格なんです。

目的が具体的なんですね。ちなみに、資格取得中に得た知識のうち何割くらいがその後の業務に活きるイメージですか?

AKIHISA
資格や業務内容によるので、数値化が難しいですが……3割くらいですかねえ。
ただ、すぐに使う機会がなかったとしても、一度網羅的に学べること自体が資格取得の魅力だと思っています!

ITエンジニアに必要な基礎知識を「基本情報」や「応用情報」などの資格試験を通じて先に知ることができたおかげで、その後の業務や資格取得もスムーズに進んだと思いますし。

あとがき

2人の話を聞いていたら私も資格をとってみたくなり、取材当日の夜からITパスポートの勉強を開始して、13日後に合格しました!

彼らの言う通り、疲れを忘れて夢中になって勉強してしまいました(笑)。読者の中にも同じように火がついて今日から勉強を開始する方はいらっしゃるでしょうか。

今回1人ではなく2人にインタビューしたのは、人によって趣味や好み、行動習慣が異なるので、しっくり来る勉強法も異なると思ったからです。受験勉強でも同じ部活の先輩1人のアドバイスをそのまま鵜呑みにして失敗することは多いですから。
案の定共通の答えが返ってくることもあれば、まったく正反対の見解を示すこともありました。
この記事を読んでくださった方々の参考になる情報を届けることができたら幸いです。

それにしても2人とも向上心や知的好奇心、コミット力が凄かったですね。

次は早起きは苦手で家事は少しサボっちゃうような、2人とは違うタイプの資格マスターに話を聞いてみたい。

この記事を書いた人

著者近影

KOHEI

ALH株式会社 採用戦略部 ブランディングチーム所属。
進学情報誌の編集者→検索サイトの編集者・ライター・ちょっとWebディレクター

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