カルチャー

2人あわせて50以上! 資格マスター対談<前編:勉強法と取得理由>

著者近影
KOHEI

先日公開した『高校受験や大学受験の勉強法は資格試験では通用しない? 受験のプロが詳しく解説します』の続編です。
今回は資格保有数30超えのSHIMPEIさんと、エンジニアに関する資格だけで20超えのAKIHISAさんにお集まりいただきました。

次々と資格を取得していく人たちには何か秘密のテクニックや共通点があるのでは? 気になる疑問をぶつけてきたいと思います!
1時間半のロングインタビューとなりましたので、前後編にわけてお届けします!

まずは保有資格についてお聞きします。※資格を活かした講演活動などもされていたそうで、今日は赤裸々に語るかわりに顔は伏せさてくださいとのこと

SHIMPEIさん保有資格

AKIHISAさん保有資格

(多いな…)

SHIMPEIさんの保有資格編

ではSHIMPEIさんから、資格取得を目指した背景について伺っていきたいと思います。かなり広範囲の資格をとられているので、分野別に聞いていきますね。
情報技術検定や計算技術検定はエンジニアに関する資格ですか? CADは建築関連の資格ですよね?

SHIMPEI
情報技術、計算技術は工業系に特化した資格です。
工業高校で建築を学んでおり、すべて高校時代に取得しました。
CADは建築の製図をPCでやる資格です。
施工管理技士も建築の現場監督ができる資格ですね。

それにしても幅広いですよね。工業系じゃない資格もかなり多いですし

SHIMPEI
高3時には外資系の仕事がしたくなっていたので、英文学科に進学しました。
その後母が大病を患ってしまい、実家に戻って介護士の専門学校に通うことにしたんです。何か副業収入を得たいと思ってインテリアコーディネーターやカラーコーディネーターなどの資格を取得しました。
ちなみに母はその後回復し、元気に健在です。

介護系の資格に混じって准看護師や赤十字救急法救急員の資格もありますね。

SHIMPEI
業務で役に立ちそうな資格は一通り取得するようにしていました。

簿記1級

ここで、インパクトの強い簿記1級に触れていきたいと思います。

SHIMPEI
ケアマネジャーとして働いていたのですが、経理業務にも携わってみたくなり、まず2級を取得しました。
念願叶って経理業務に挑戦させていただくうちに、公認会計士にも興味が湧いてきて、公認会計士の受験条件でもあった(当時。現在は受験に条件はありません)簿記1級を目指してみることにしたんです。

簿記1級取得後、キャリアにはどのような影響がありましたか?

SHIMPEI
北陸エリアを統括するポジションを任せていただくことになったのですが、簿記1級の知識は大いに抜擢の後押しになったと聞いています。知識としては2級で足りていたそうですが、1級まで目指すスタンス込みで評価していただきました。

その後知人と起業する機会があり、そこでも簿記の知識は役立ちましたね。
エリア内にある事業所の運営方針を決める際に、財務状況のデータに基づいて方案を確定しました。

先ほどからパンチの効いたお話が続いていますが、もう一つ触れないといけない情報が……。

英検は1級、TOEICもスコア900超えだとか?

SHIMPEI
はい! 英検1級は高校生の時に取りました。TOEICは期限があるので失効しないように受け続けています。

最難関大に受かるような生徒で英検を持っている人は結構いたけど、皆さん準1級まででしたよ。一体どんな勉強をすると高校在学中に1級を……。

SHIMPEI
英語は幼少期から母に叩き込まれました。
英語で話さないと怒られるという特殊な教育を受けまして(笑)。
おかげでネイティブに近いレベルで話せるようになりました。

今も英会話力を維持するために海外の友人と月一ペースでオンライン会話をする機会をもっています。
生成AIのプロンプトを書く際には英語の方が精度が高いので助かってますよ!

(この人濃すぎる……。)あと珍しいところだと温泉ソムリエ、これはなんで取ったのですか?

SHIMPEI
話のネタになると思って取りました(笑)。

企画の趣旨的にこれまでの人生を振り返る予定はなかったのですが、気になりすぎて深ぼってしまいました。SHIMPEIさんありがとうございました。
続いてAKIHISAさんにもお話を伺っていきます。

AKIHISAさん保有資格編

AKIHISAさんはエンジニア関連の資格中心で一貫性がありますね。

AKIHISA
そうですね。SHIMPEIさんに比べるとかなりシンプルなラインナップかと(笑)。

基本的にはエンジニアに関する資格を中心に取得してきており、ビジネスマネジャーに関しては、私自身上に立つのがとても苦手なので、マネジメントに関する知識を身に着けるために取得してみました。電気工事士は工業高校だったので高校在学中に取ったものです。

職歴としては機械設計士として働いたのち、ITエンジニア未経験でALHに入社しています。

エンジニア系の資格はすべてALH入社後に取ったのですか?

AKIHISA
いえ、Pythonエンジニア認定基礎試験・データ分析試験とITパスポート、基本情報とG検定は前職時代に取りました。

ITパスポートを転職前に取る方は多いですが、Pythonはなぜ?

AKIHISA
ITエンジニアを目指していたこともあり、自分なりに調べていく中でPythonの知識を持っていたら活躍できそうだなと思い取りました。

ぶしつけな質問になってしまうのですが、入社前の取得はエンジニアとしてのスタートダッシュに役立ちましたか?

AKIHISA
ある程度は……。研修の序盤では事前に勉強してあったおかげで、同僚たちと比べて少しリードを感じました。
でも、ALHはかなり研修が手厚いので事前学習なしで入っても、その後頑張ればまったく問題ないというのが、正直な感想です。

資格試験の受験料を補助してくれる制度があるので、これからALHへの入社を目指している方は、入社後の取得でもいいかもしれません!

ちなみに、あとで知った話ですが、独学で資格を取ったこと自体は採用面接で高評価に繋がったそうです。自学が得意な方は伸びる傾向があるとのことで。

資格取得ラッシュの理由

入社後の資格取得数がすごいことになっていますが、なぜこれほど?

AKIHISA
AWS認定資格はコンプリートを目指していたので自然と多くなってしまいましたが、自分としては手当たり次第に受験したのではなく、今後のキャリア形成上必要な資格を取ってきたという認識です。

AWS認定資格やJava、Pythonの上位資格を取ることで、どのように目指す方向に近づけるのですか?

AKIHISA
AWSはコンプリート達成前でしたが、AWSが得意な人が必要というプロジェクトに声をかけてもらったことがあります。

JavaSilverはALHの若手開発エンジニアだと目指す人がかなり多いので、自分も自然と。
今のところプロジェクト先でJavaを扱う機会はまだありませんが、早めに基礎的な知識を身に着けられて良かったと思っています。当時はJavaにしか役に立たないと思っていましたが、オブジェクト指向プログラミングの基礎的な理解はPythonのプロジェクトでもかなり役に立っています!

Pythonエンジニア認定試験も早速役立っています。
Pythonが得意な人が必要な案件で声をかけてもらい、今まさに参画中です。

技術スペシャリストとして積みたい経験に繋がる資格を取っておくことで、希望が通る可能性が高くなっていくと思ってます!

どんどん質問していきます

さて、2人の資格に対する考え方や経緯について伺ったところで、ここからはどんどん質問をぶつけていきたいと思います!

一番大変だった資格

一番大変だった、つらかったと思う資格はなんですか?

SHIMPEI
思い当たらないですね。

……。では聞き方を変えて、一番時間のかかった資格は? 先にAKIHISAさんから。

AKIHISA
僕は応用情報で2か月かかりました。
いじってみたい技術を見つけても、試験が終わるまでは我慢しないといけないので、学習期間が長くなるときついですね。
我慢との戦いです。

ちなみに漫画を読むのとかも我慢するんですか?

AKIHISA
いや、息抜きは別物なので、そういうのは許容してます。

SHIMPEIさんはいかがですか?

SHIMPEI
簿記一級で4か月かかりました。 
平日は一日4時間、土日は8時間ほど勉強していました。
楽しくなってくるので、つらさは一切感じませんでした。

分からないことは必ず分かるまでやる。今日解決できなかったら、明日理解したくてたまらなくなる。その好循環で自然とモチベーションは高まり続けていました。

大学受験でも最難関大に受かる生徒は大抵同じことを言っていましたよ。
疑問点は講師に質問しに行って必ずつぶすようにしていたと。

疑問点の潰し方

ちなみにSHIMPEIさんはどうやって疑問点を解消しているのですか?

SHIMPEI
参考書を読み込んだりググったりしています。

日々の仕事でも疑問点は必ず解消しているのですか?

SHIMPEI
いえ、資格は明確な答えがあるから調べますが、仕事は正解がないことも多いじゃないですか。なので場合によります!
あともう一つ、講師の代わりに優秀な勉強仲間を見つけておくのがミソです。

コミュニティをつくる

SHIMPEI
自分の理解力だけでは心もとないので、同じ資格取得を志す仲間を集めてコミュニティをつくるんです。
そうすると、その分野において人に教えられるくらい精通している方が大抵1人はいるんですよ。
その方に質問できるようにしておくと、かなり助けてもらえます。
AKIHISA
コミュニティはどうやってつくるんですか?
SHIMPEI
簿記1級の時は「地元の掲示板」で有名なジモティで見つけました。
AKIHISA
ジモティってそういう使い方をすることもあるんですね!
SHIMPEI
色々な機能があるんです(笑)。
つくったコミュニティの仲間たちと週に1回ペースで勉強会を開いて、楽しくやっていました。

エンジニアだとそういうのは?

AKIHISA
ありますよ。有名どころだとconnpassとかでコミュニティ仲間の募集が出ています。
もくもく会をやっていたり、その資格の勉強者で集まったり。
でも僕はまだ行ったことがありません。

ALHだと横浜事業所がAWSのHamazonとか、福岡のAWS全冠の方が開催されている勉強会とか、事業所単位でやっている企画が色々ありますよね。

たしかに。ちなみに疑問点についてはAKIHISAさんもすぐにつぶすようにしていますか?

AKIHISA
いいえ。
わからないと思ったら「また次に似たような問題と出会ったタイミングで理解すればいいや」ということで、一旦スルーすることがあります。

次にその知識を問われるまでの間に周辺知識を身につけることで、「今日の自分はわからなかったけど、次回の自分ならわかる」ということが何度もあったので。

かなり深い話ですね。ちなみにわからないからいいや!って、理解せず完全に捨てる範囲が発生することもありますか?

SHIMPEI
あります。資格試験は多少飛ばしても受かりますよね。
AKIHISA
そうですね。応用情報ではマネジメント範囲を丸々捨てたけど合格できましたし(笑)。

捨てる範囲の判断基準

飛ばしてもいい範囲を見極めるコツなどはありますか?

SHIMPEI
難しい質問ですね、正直感覚になっちゃいます。ここの範囲は無視していいかなと。
AKIHISA
ここはちょっとニッチ過ぎない?とか。うーん……。

自分が興味もてないところを飛ばすとか?

2人
あ、そうです! 確かにそれは判断軸にしていました。

IT系とそれ以外で、学習を飛ばしていい範囲の判断基準が異なる印象はありますか?

SHIMPEI
ITかどうかは関係なくて、業務で使う知識なら飛ばしちゃいけないと思います。業務で使わないなら飛ばしてもいい。そういう判断軸で見てました。
AKIHISA
同感です。

なるほど。ちなみにAWSの認定資格の知識は業務で使う前提なんでしょうか?

AKIHISA
そうですねぇ……。
自分に関係あるところと、当分関係なさそうなところがあるのは事実です。
全部理解しなくても合格はできるので、完璧に理解しないまま進めた部分もありました。
でも、ある程度理解していれば後に業務で扱うことになった場合に理解の助けになります。

ちなみに試験当日の「捨て問(解答を諦める問題)」はどうやって判断していますか?
大学受験では過去問から各設問ごとに使っていい時間を算出しておいて、制限時間を超えたら諦めて次の問題に進むよう指導することがあります。資格試験もそんな感じでしょうか?

SHIMPEI
制限時間は決めていませんが、ざっと目を通してわからなければ飛ばします。全問正解でなくても合格はできますから。
ただ、その後の問題が飛ばした問題とつながっているケースもあり、その後の問題の内容からヒントを得て答えられることもあります。

自分がわからないなら他の受験者も解けないだろうという、ちょっと上からな判断もあったり?

SHIMPEI
その判断基準はないですね(笑)。
そこの判断ができないので、コミュニティをつくって仲間に普段から聞くんです。

学習期間の見積もり方法

学習期間の見積もりはどのようにしているのですか

AKIHISA
まず資格の難易度をリサーチします。
複数の口コミを見て、合格点や学習日数から大まかに判断。
次に過去問をいくつか見て「正解がわかるか」「正解出来なくても何を言ってるかわかるか」「一から学習が必要そうか」そのあたりの手ごたえから徐々に判断がつくようになってきました。
SHIMPEI
自分も同様ですね。
学習内容や過去問のチェックは基本的に本で行います。AKIHISAさんはエンジニア関連の資格中心なので、そこは違うかもしれません。
AKIHISA
確かにまちまちです。

資格慣れしているということで、口コミよりは短めに見積もりますか?

AKIHISA
そうですね、少し短めに設定することが多いと思います。

どこの口コミを見ることが多いですか?

AKIHISA
AWS認定資格の時はCloudLicenseの口コミを見ていました。

それ以外の資格の場合はどうしますか?

AKIHISA
特定のサイトはないですが、複数見てから判断しますよ。
ALHの社内SNSにあがっている受験体験記も参考にしています。

見積もりを立てるために、先に少し勉強をすることはありますか?

SHIMPEI
うーん、それはしないですね。
AKIHISA
エンジニアに関する資格なので、ある程度見当はつくんですよね。
SHIMPEI
自分もこれまで受けたどれかの資格と繋がっていることが多いので、未知の分野の試験を受けた経験はあまりないです。
温泉ソムリエの時はさすがに見積もらずにノープランで学習を開始しました(笑)。
AKIHISA
僕もいきなりファイナンシャルプランナーなどに挑戦するとしたらノープランか、口コミより長めに設定すると思います。

予約のタイミング

試験の申し込みというか、試験日の予約はどのタイミングでやりますか?

SHIMPEI
予約まで行うかどうかは試験によりますが、先に試験日を設定してそこに向けて計画を立てます。
AKIHISA
僕は予約しないと勉強しないので先に予約します。

予約後に延期したことはありますか?

AKIHISA
あります。
最初の頃は結構あって、SAAなんて3回くらい延期しました。
スケジューリングにまだ慣れていなかったんですよね。
「また延期してしまった~」ってちょっと自己嫌悪気味でした。
SHIMPEI
最初はそうですよね。わかります。

後編に続く

いかがだったでしょうか。
後編では参考書や動画教材の選び方や使い方、今後狙う資格などについて伺っていきます。後編もお楽しみに!

この記事を書いた人

著者近影

KOHEI

ALH株式会社 採用戦略部 ブランディングチーム所属。
進学情報誌の編集者→検索サイトの編集者・ライター・ちょっとWebディレクター

リモートワークOKの環境になってから体調がとてもいい感じ。 このライターの他の記事を見る

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