テクノロジー 2024.10.22

【合格者が監修】AWS MLSとは？試験の概要と対策、合格するための勉強法も解説！

AKIHISA

AWS Certified Machine Learning – Specialty(MLS)は、AWSが提供する機械学習に精通した認定資格です。この資格は、AWSクラウド環境での機械学習ワークロードの開発、設計、実装に関する深い知識と経験を持つ個人を対象としています。

■AWS MLSとは？
■AWS MLS の難易度:他のAWS資格との比較
■AWS MLS 勉強法:効果的な学習リソースと戦略
■AWS MLS試験対策のポイント
AWS MLS資格取得後のキャリアパス
まとめ
■参考サイト
■関連記事

監修：AKIHISA
■保有資格
・応用情報技術者試験
・AWS Certified Cloud Practitioner
・AWS Certified Solutions Architect - Associate
・AWS Certified Developer - Associate
・AWS Certified SysOps Administrator - Associate
・AWS Certified Data Engineer - Associate
・AWS Certified Solutions Architect - Professional
・AWS Certified DevOps Engineer - Professional
・AWS Certified Advanced Networking - Specialty
・AWS Certified Security - Specialty
・AWS Certified Machine Learning - Specialty
・AWS Certified Database - Specialty
・AWS Certified Data Analytics - Specialty
・AWS Certified: SAP on AWS - Specialty
・Pythonエンジニア認定基礎試験
・Pythonエンジニア認定データ分析試験
・Pythonエンジニア認定実践試験
・Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11
・ビジネスマネジャー検定
・G検定
製造業からIT業界未経験でALHへ入社
AWSでの開発環境整備に力を入れており、IaC(Infrastructure as Code)やCI/CDを得意としている。
現在のプロジェクトには、AWS環境でバックエンドAPIの開発・運用を行うDevOpsエンジニアとして参画中。
好きなAWSサービスはAWS CDKとAmazon Q Developer

■AWS MLSとは？

AWS MLSは、機械学習分野でのスキルと知識を公式に認定するものであり、IT業界での需要は高まっています。

この資格を取得することで、機械学習プロジェクトでの理解が深まり、キャリアアップの可能性を広げることができます。

近年、ビッグデータと人工知能の発展に伴い、機械学習の重要性が急速に高まっています。AWS MLSは、このトレンドに対応し、クラウド環境で機械学習ソリューションを効果的に実装できる人材を認定する指標となっています。

AWS Certified Machine Learning - Specialty(MLS-C01)は、機械学習の専門知識を評価する試験です。

※試験の詳細は以下の通りです

試験時間 : 180分
問題数 : 65問(複数選択または複数応答)
合格基準 : 1,000点満点中750点以上
受験料 : 44,000円（税込）

出題範囲は以下の4つの分野に分かれています。

データエンジニアリング(20%)
探索的データ分析(24%)
モデリング(36%)
機械学習の実装と運用(20%)

各分野では、データの準備から機械学習モデルの設計、実装、評価、運用まで、幅広い知識が求められます。

■AWS MLS の難易度:他のAWS資格との比較

AWS MLS資格は、AWSのSPECIALTY(専門)レベルの資格の一つであり、一般的に難易度が高いとされています。

他のAWS資格と比較すると、以下のような特徴があります。

前提知識 : 機械学習の基本概念や統計学の知識が必要
実務経験 : AWSクラウドでの機械学習ワークロードの開発、設計、実行において2年以上の実践経験を推奨
技術の幅 : データエンジニアリングからモデリング、運用まで幅広い知識が必要

MLS試験は、機械学習という専門性の高い分野を対象としているため、他のSPECIALTYレベルの試験と比較しても取り掛かりづらいと言えるでしょう。

機械学習の前提知識のない方は、より多くの学習時間が必要になると考えられます。

■試験料金一覧

試験の種類/料金	USD	JPY	EUR	AUD	KRW	CNY
Foundational	100 USD	15,000 円	92 EUR	150 USD	131,525 KRW	723 CNY
Associate	150 USD	20,000 円	138 EUR	229 USD	197,287 KRW	1,085 CNY
Professional	300 USD	40,000 円	277 EUR	459 USD	394,575 KRW	2,169 CNY
Specialty	300 USD	40,000 円	277 EUR	459 USD	394,575 KRW	2,169 CNY

■AWS MLS 勉強法:効果的な学習リソースと戦略

AIが推奨する学習法と弊社資格合格者がおすすめする学習法の2通りでご紹介します。

1．AIにより推奨されたプラン

◆AWS公式ドキュメントの活用

AWS公式ドキュメント:AWSの各サービスの詳細な情報を確認できます
AWS Skill Builder:無料の練習問題集やExam Prepコースが利用可能です
公式模擬試験:実際の試験形式で練習できます(有料)

◆オンラインコースの受講

UdemyCloud License、CloudTechなどのプラットフォームで、MLS対策コースを受講することができます

(例) : Udemy_【最短攻略】AWS 認定機械学習 – 専門知識模擬問題集

◆書籍の活用

AWS認定試験や機械学習に関する書籍を参考にしましょう

(例) : AWS認定機械学習 – 専門知識模擬問題集 130問（65問 × 2セット）クラウド認定試験模擬問題集シリーズ

◆ハンズオン経験の積み重ね

Amazon SageMakerなどを使用して、実際に機械学習モデルを構築・デプロイする経験を積むことが重要です

◆学習コミュニティへの参加

AWS認定資格の取得を目指す人々が集まるオンラインコミュニティに参加し、情報交換や励まし合いをすることで、モチベーションを維持できます

効果的な学習のために...

以下のような段階的なアプローチを取ることをおすすめします。

基礎知識の習得 : 機械学習の基本概念とAWSサービスの概要を学習
実践的なスキルの獲得 : Amazon SageMakerなどを使用して、実際にモデルを構築
試験対策 : 模擬問題や公式のサンプル問題を解き、弱点を把握して重点的に学習
復習と最終確認 : 学習した内容を総復習し、不安な部分を重点的に確認
学習の進め方を確認 : 現役合格者の体験談を確認し、自分の学習法と照合

学習を進めていく上でのアドバイス

疑問に思ったことはメモする
QAもしっかり読む
アウトプットを意識する

ここからは、ALHの資格合格者である方の実際の勉強方法を見てみましょう!

2．ALH社内で人気の学習方法

弊社の合格者が実際に使用した教材のメリット・デメリットについて詳しく解説します！

◯ 動画を活用した学習

おすすめ教材

・AWS Black Belt Online Seminar

AWS Japanにより提供されているオンラインセミナーです。

AWSサービスや、ソリューションへのAWS適用について解説しており、サービスの理解を深めるために利用することをおすすめします。

おすすめ

AWS AI Service
AWS Glue
Amazon EMR 基礎編
Amazon SageMaker Basic Session

【メリット】

AWS Japanが提供しているため、信頼できる情報です。

特にサービスの名前を冠する講座は、基礎から解説してくれるので理解しやすいです。

AWS GlueやAWS Lake FormationはAWS DEAで頻出するので、特におすすめです。

【デメリット】

試験に特化した内容ではないため、試験においては不要な知識もインプットすることになります。

投稿が数年前の講座もあるため、必ず最新の情報と照らし合わせてください。

また、大半の動画が1時間なので、全てのサービスを網羅しようとすると時間がかかります。

・AWS Hands-on for Beginners

AWS Japanにより提供されている、初心者や初めてのサービスに触れる方向けのハンズオン動画です。

無料で利用可能ですが、利用するためには自身のパーソナル情報を入力する必要があります。

おすすめ

【メリット】

AWS Japanが提供しているため、信頼できる情報です。

AWSサービス単位ではなくユースケース単位でハンズオンできるので、実務に近い理解を得ることができます。

【デメリット】

受講するのに時間がかかるため、より理解したい分野の選択が必要です。

試験に特化した内容ではないため、試験においては不要な知識もインプットすることになります。

◯ テキストを活用した学習

AWS MLSは機械学習への初歩的な理解が必要です。これを知らないと問題を解いても全くわからない状態に陥ってしまいます。

機械学習の初級知識に不安がある方は、事前に機械学習の理解を深めることをおすすめします。

日本ディープラーニング協会により提供されている「G検定（ジェネラリスト検定）」の公式テキストです。

ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。

【参考: https://www.jdla.org/certificate/general/】

ディープラーニングは機械学習の一種であり、G検定ではディープラーニング周辺（機械学習含む）の基礎知識を問われる試験です。

【メリット】

AWS MLSは、機械学習を用いたアプリケーションをAWSでどのように実現するかを問われます。

そのため、一般的な機械学習についての知識がなければ、スタートラインに立つことすらできないといっても過言ではありません。

「G検定」の公式テキストを使うことにより、一般的な機械学習についての基礎知識を得ることができます。

【デメリット】

「G検定」の出題範囲は機械学習についての技術的な内容だけではなく、AI技術の動向や人工知能における問題点などのAWS MLSの範囲外となる内容も数多くあります。

AWS MLSの合格のみ目指す場合は、試験ガイドをしっかり確認してG検定公式テキストの読むべき箇所をピックアップしてから読むことをおすすめします。

◯ 問題集を活用した学習

・Cloud License

AWS及びGoogle Cloud認定試験の学習ができるオンライン学習サイトです。

ベーシック、プロフェッショナルの2プランが選択でき、プロフェッショナルプランのみ「AWS MLSに対応しています。

詳細はプラン・料金比較ページをご確認ください
(料金ページはこちら)

【メリット】

問題の難易度が実試験に近く、一問一答形式なので解説をすぐ読めます。

300問以上あるため、解説を理解して問題を解くことを繰り返すだけで合格が狙えます。

ただし、機械学習についての基礎知識がない方は理解が難しい問題もあるため、書籍などで機械学習の基礎について理解するとスムーズです。

【デメリット】

解説がわかりづらい問題があります。解説だけで理解できない内容は、参考書やAWS Black Belt等を活用して理解を深めましょう。

また、問題を解いているだけでは、実務レベルの知識はつきません。

本番の試験でもCloud Licenseで出題される問題に似たものが出るため、理解度が低くても合格できてしまうためです。

もし、実務レベルの知識をつけたい場合は、各種ハンズオンサービスを活用して実際に手を動かすことをおすすめします。

機械学習についての基礎知識がない方は理解が難しい問題もあるため、書籍などで機械学習の基礎について理解するとスムーズです。

・CloudTech

日本最大級を謳うAWS学習プラットフォームです。

資格会員、基本会員、永久ライセンスの3プランあり、いずれもAWS MLSに対応しています。

資格会員、基本会員及び永久会員は解ける問題には差がなく、上位である基本会員及び永久会員ではAWS講義動画と会員制コミュニティ参加権が得られます。

資格会員、基本会員は有効期限が90日ですが、永久会員は買い切りです。

詳細は料金ページをご確認ください
(料金ページはこちら)

また、フリーコースで会員登録すれば、AWS講義動画を38本見ることができます。

【メリット】

問題の難易度が実試験に近く、一問一答形式なので解説をすぐ読めます。

注目ポイントは、解説の図がわかりやすいところです。
解説図は現役エンジニアに報酬を払って作成してもらっており、「公式の図を流用しただけ」のような安易なものではなくクオリティの高い図になっています。

また、基本会員以上だと、AWS認定取得を目指すメンバーが集うコミュニティに入ることができます。
合格体験記を見ることができたり、問題集への要望を出せたりと、資格に本気で取り組んでいきたい人にはいい環境だと思います。

ただし、機械学習についての基礎知識がない方は理解が難しい問題もあるため、書籍などで機械学習の基礎について理解するとスムーズです。

【デメリット】

こちらもCloud License同様、問題を解いているだけでは、実務レベルの知識はつきません。
本番の試験でもCloudTechで出題される問題に似たものが出るため、理解度が低くても合格できてしまうためです。

もし実務レベルの知識をつけたい場合は、各種ハンズオンサービスを活用して実際に手を動かすことをおすすめします。

・Exam Prep Official Practice Question Set: AWS Certified Machine Learning - Specialty (MLS-C01 - Japanese)

AWS Skill Builder(AWS公式)により提供されている模擬試験です。

AWS Skill Builderに登録することで無料で利用することができます。

【メリット】

AWS公式が提供しているので、実試験に最も難易度が近いです。

【デメリット】

20問の提供なので、これだけでは合格を目指せません。力試しで問題を受講することをおすすめします。

3．社内SNSに投稿された合格体験談

私はMLS受験前にCLF、SAA、DVA、SCS、SOA、DBS（※廃止済み）、DAS（※廃止済み）を取得しており、MLSは8つ目の資格となりました。

主な学習教材は2つです。まず、Cloud LicenseのWeb問題集を使用しました。全問（約300問）を2周し、間違えた問題を再度1周しました。ただし、サービスの更新を終了しているAmazon MLに関する問題は実際の試験では出題されないため、スキップしました。次に、Kindleの問題集を2冊使用しました。「AWS認定機械学習 – 専門知識模擬問題集 130問」と「1週間で攻略！AWS認定機械学習 – 専門知識本番用問題集 130問」です。これらはKindle Unlimitedで無料で読むことができ、Cloud Licenseだけでは不安だった部分を補完するのに役立ちました。

実際の試験では、使用した教材から似たような問題が多く出題されました。特に、回帰や分類での欠損値への対応、混同行列の理解、過学習への対策などが重要でした。

最も苦労したのは、機械学習のアルゴリズムを理解することでした。数式やベクトル、微分の知識が必要になるのではないかと不安でしたが、実際には数ⅡBの知識がなくても問題ありませんでした。代わりに、アルゴリズムの概要をざっくりと理解し、機械学習のユースケースを掴むことが重要でした。

機械学習の基礎と実践的なAWSサービスの使用方法について学ぶことができ、非常に有意義な経験となりました。